僧舞⑤
地球の磁気場は身体をつたい流れ、その流れという振動は目には見えない。見えるのは骨格や筋肉などフィジカルなラインである。
韓国伝統舞踊の動作は呼吸が通る道、気が流れる道であり、その流れは振動であるので明確な動作として見えない。風に吹かれ揺れ動く柳のような動きなのだ。
一般的にダンスを踊るとなると、筋力などの強化の必要があり、連動して肺呼吸が強くなる必要があり、それは血流が早くなることであり、これは心臓が強く、血流が早い状態である。言い換えれば、肺呼吸の強化により精気が起こる身体的構造であり、目に見える動きである。
韓国伝統舞踊はこの対極にある。肺呼吸ではなく、丹田呼吸(気の呼吸)を通じて、気が流れること、息を貫通させることである。そして身体の呼吸の道を通じて舞踊の動作が繋がることであるといえる。言い換えれば、気が通る道が踊りの動作となり、それは流れという振動であるから目に見えない。全体と私がオーバーラップされ開ける構造と見る。