happy new year
雪が降り、風が冷たく、灰色の空で山は見えない。雲は低く蠢いていた。最近は空を見上げることが多くなった。立ち止まる時間ができたようだ。思い返してみると、ここ数年も時間はあったし立ち止まってもいたが、空を見上げることがなかったようだ。前か下ばかり見ていたけど、合わせる視線が上がるにつれ隙間ができたようだ。見上げる空で遠い残骸は風に吹かれ押し出された泡となり今を包む。過ぎた日々の都合よく配置された記憶をしばし懐かしむ。
年が明けた。空を見上げる時間が増えそうな気がする。雲をみて星をみて風をみるために。そんな風に過ごしたい。そんな風に流されてきようだ。
風の踊り、キョバンクッコリ。風に吹かれ風を感じ風に流される踊りだ。風はどこから吹いてくるのだろう。風に踊らされているそんな印象の踊りだ。てんで人は見えない。風の流れが、風の気運が、そのまま踊りであった。招き猫のように右手でも左手でも上げる手はどちらでも良いのだ。とても自由な踊りなのだ。